今日はブロックチェーンについて解説していきます。
ブロックチェーンと聞くと「ビットコインで使われている技術」と思い浮かべる方も多いと思いますが、実際にブロックチェーンはビットコインを成立させている技術になります。
また”分散”という在り方を中心に据えたWeb3.0を知っていく上で避けては通れないキーワードになります。
そこで今回はできるだけ簡潔な言葉でブロックチェーンを紹介していきます。
それでは早速よろしくお願いします。
ブロックチェーンとは?
まずブロックチェーンとは何か一言で表すと、、
「情報を記録するデータベースの技術の1つ / 分散型台帳技術」と呼ばれる技術になります。
簡単に言うと「取引のデータを一箇所ではなく、みんなで構築したネットワークに取引のデータを記録して、みんなで管理しましょう!」という感じです。
やりとりした取引の履歴が鎖のようにどんどん繋がって記録されているので、ブロックチェーンと言われています。このあとの内容を読んでいただければ、イメージがつきやすくなるかと思います。
ブロックチェーンの4つの特徴
ブロックチェーンには以下のような特徴があります。
- 取引記録の改ざんが困難
- 管理する主体がいない分散型システム
- システムダウンが起こらない
- オープンのため透明性が高い
それぞれ解説します。
取引記録の改ざんが困難
ブロックチェーンに記録されていく取引記録は、改ざんするのがとても難しいという特徴があります。
後ほどブロックチェーンの仕組みを紹介するのですが、ブロックチェーンを利用している場合、全員が取引履歴のデータを保有しています。
そのため、自分が持っているデータを改ざんして「数値を大きくして儲けちゃお」という悪い考えを持っている人がいて、それを実行しても、他の人が持っている取引データによって、そのデータが不正であり、悪いことをしていると判断することができます。
もしハッキングするとしても、取引データを持っている過半数以上を改ざんする必要があるため、かなり改ざんが難しいことがわかると思います。
管理する主体がいない分散型システム
各国のお金はそれぞれの国の中央銀行が管理しています。日本で言えば、日本銀行が管理してます。
さらに細かく見ていくと、例えばコンビニで利用するATMであれば、その引き出し先となる、普段利用している銀行が中心となってお金を管理しています。
一方ブロックチェーンは特定の組織が主体となっておらず、不特定多数のブロックチェーンネットワークを構築している人々によって、みんなで分散して管理しています。
システムダウンが起こらない
ブロックチェーンは皆で管理しているため、特定の1台のパソコンが壊れてもブロックチェーンのシステムに影響はありません。
近年、みずほ銀行のATMが停止してしまった事件は、中心となっているサーバーの不具合によってシステムが停止してしまいましたが、ブロックチェーンの場合、そうした1箇所によって引き起こされるシステムダウンが起こらないということになります。
オープンのため透明性が高い
ブロックチェーンは取引履歴が残っていくので、「どういった取引があって自分の手元に来たのか」「どういう使われ方をしたのか」という履歴を確認することができるオープンな技術です。
例えば以下のサイトでは、ビットコインの取引履歴を確認することができます。
https://www.blockchain.com/explorer
ブロックチェーンの応用が進むことで、例えば、政府が集めた税金や企業のお金が何に使ったのかを1円単位で確認することができるようになるかもしれません。
ブロックチェーンを成立させている技術・仕組み
ブロックチェーンは、2008年にサトシ・ナカモトと呼ばれる謎の人?組織?によって「ビットコイン」を構築するための技術として登場しました。
ブロックチェーンはそのタイミングで登場しましたが、0から生まれた新しい技術ではなく、これまでにあった技術を組み合わせてできた技術になります。
ブロックチェーンの仕組み
取引のデータは“ブロック”と呼ばれる記録の塊に保存されます。
取引のデータはブロックに書き込まれ、皆で「その取引問題なし!」と合意が取れれば、取引が成立(=チェーンができる)します。
取引のデータは“ハッシュ”というこれまでの取引情報を要約したものがあるので、少しでもデータを改ざんすると、「あれ?要約してあるデータともらったデータが違うぞ」となるため、不正な取引を防ぐことができます。
ブロックチェーンの仕組みをさらに知るためのキーワードとして以下の5つがありますが、ざっくりと概要をつかんでいただければOKです。
- P2Pネットワーク:コンピューター同士を相互につなぐ仕組み
- 公開鍵暗号:公開鍵と秘密鍵の2種類の鍵を使った暗号方式
- 電子署名:電子的な本人証明・改ざん防止に利用
- ハッシュ関数:あるデータを計算式を通して固有の値(ハッシュ値)を与える暗号化技術
- コンセンサスアルゴリズム:不特定多数の皆で「OK」という合意形成を取るための仕組み ビットコインではPOF(Proof of Work)というアルゴリズムが利用されている
ブロックチェーンはどういった風に使われる?
ブロックチェーンは以下のようなサービスに利用されています。
- 仮想通貨(ビットコインなど)
- NFT(Non Funfible Token:デジタルデータの権利を守る技術)
以上は一部の例ですが、少し前の平成27年度に経済産業省がブロックチェーンの技術が今後影響を及ぼす可能性のある市場規模として以下の掲載をしています。
・平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備報告書概要資料
https://www.meti.go.jp/main/infographic/pdf/block_c.pdf (2023年12月30日閲覧)
まとめ
今後さらにブロックチェーンを利用したサービスなどの開発や展開が期待できます。
ただブロックチェーンは様々な変革をもたらす技術ですが、さらに応用した運用をするためには技術面だけでなく、セキュリティ面や法的な整備などが必要になってきます。
これからの発展を一当事者として一緒に見ていきましょう。